家庭を顧みず企業戦士として働きつづけ、定年後は、奥様と一緒に海外旅行を楽しみたいと言っていた矢先に大腸がんが見つかったAさん、手塩にかけて育てたひとり娘が22才で子宮頸がんと診断され子宮全摘術をうけ、楽しみにしていた孫をもつこともできず、さらに娘さんが30才前に亡くなり悲嘆の日々を送っているBさん、単身赴任中に奥さんから、乳がんで手後れと言われたと電話があり、1年ぶりに家に帰り、奥さんの胸を見るとそこには10cmの大きさの乳がんができているのを見て愕然としたCさん・・・。
高校生のころからタバコの味を覚え、毎日40本のヘビースモーカー、社長に昇進したとたんに、痰に血が混じるようになり、頭痛も激しく病院を受診したところ、肺がんの脳転移、余命1年と宣告されたDさん。元気で長生きをしたいと願う私たちにとって、がんはあまりに無情にその希望を奪っていきます。
がんという病気がいかに恐ろしいか、だから、予防、検診がとても大切ですよ、ということを国民に伝えるため、厚生労働省は「二人に一人はがんに罹患する、そして、三人に一人はがんで死亡する」という数字を出しています。しかし、そういわれてもぴんときません。しかし、俺は大丈夫だ、とか、タバコをやめるんだったら死んだほうがましだ、と豪語していた人が、最愛の奥さんに進行した乳がんが見つかり、同じころに自分も「小細胞がん」が見つかり、しかもすでに脳に転移していたことがわかり、そこで、どうにかなりませんか、助けてください、と言われても私たちも困り果てます。
がんは、とても身近であって、大変恐ろしいけども、予防、検診など、やることをきちんとやっていけばどうにかなります。
奥様、お嬢様、ご家族を愛し、隣人を愛し、そして社会を背負って立つロータリアンの皆さん自身のために、今日は、がんの予防、検診、そして治療の話を少し、させていただきたいと思います。
キーワード:
予防:がんにかからないようにすること
タバコをやめる、お酒をひかえる、
適度な運動を続ける
複数のセックスパートナーを持たない
子宮頸がんワクチンを接種
(タモキシフェン、ラロキシフェン)
ピロリ菌を除菌する
検診:がんを治る段階でみつけること
前立腺がん検診(血液検査でPSAを測定する)
乳がん検診(マンモグラフィ)
子宮頸がん検診(細胞診)
胃がん検診(内視鏡、ABC検診)
大腸がん検診(便潜血検査、内視鏡検査)
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