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平成28年2月18日(月)

 


講師:同志社大学大学院
グローバル・スタディーズ研究科 教授
内藤 正典 様

 

静岡市内7クラブ合同例会

〜 中東の崩壊とパリ同時多発テロ事件 〜

 


 私は東京出身で一橋大学の大学院教授でしたが2010年に同志社大学・大学学院がグローバル・スタディーズ研究科を作ってから京都に移り現在あちこちで講演をさせていただいています。 
本日のお話の内容は決して明るい話ではないが「中東の崩壊」と「シリアの内戦」「イスラム国のテロ」そして「難民問題」です。
 昨年夏以降メディアで「大変な数の難民が欧州に押し寄せた」というニュースが世間を騒がせた。昨年秋までで既に100万人近い『難民』が欧州を目指していたが、欧州の人々はそれを『移民』と呼んでいた。
 現在シリアではアサド政権による恐怖の統治が行われているがシリア内戦で亡くなった方は一説には47万人とも言われている。終わらない内戦と近年のイスラム国の台頭が難民を作り出しているといわれるが事実はそうではない。難民はISが台頭する前から300万人ほど存在していた。安倍総理はISの台頭で移民が生じたためISと戦う国に支援を行うと表明した。しかしアサド政権の圧政に反対する反政府勢力も、もともとは一般市民であり、その弾圧のためのアサド政権の無差別攻撃に市民が巻き込まれ、すでに2300万人の国民の半分は住居を無くしたか若しくは逃げ惑っている状態とも言われている。彼らは安全を求めて難民となった。難民はIS台頭以前からレバノン、トルコ、ヨルダン等に向かっていた。近年その難民がギリシャを渡って欧州へと向かっているが、その難民にテロリストが紛れ込み、パリでテロを起こした。誤解すべきでないのは、決して難民がテロ化したわけではない。
 中東の崩壊が進んでいる。シリアは内戦、リビアも分裂、イラクも分裂している。アフガニスタンは全く治安が回復しない。イエメンも内戦でソマリアは事実上国家が崩壊、ナイジェリアでもボコ・ハラムの暴虐。エジプトも軍事クーデターで生まれた政権であり、いずれ治安悪化につながるだろう。サウジとイランは1月に入って国交断絶した。サウジはスンナ派の国、一方でイランはシーア派の国、単に宗派の違いだけではなく政治的な要素が対立の原因で、一触即発となっている。
 現在ロシアはISへの攻撃を名目にシリア国内での爆撃を行っているが、実際はアサド政権への支援のため反政府勢力を壊滅することが目的。シリア北部はトルコ系の民族も存在しており、これにはトルコも反発を強めていた。10月のトルコによるロシア戦闘機爆撃もこういった背景から起こった。現状ではトルコとロシアは国交断絶までには至っていないが、仮にロシアがトルコを攻撃、もしくは先日のトルコでのテロもシリア系のクルド民族の犯行とのことで、今後トルコがいよいよシリアに進軍しロシアとの交戦が生じればトルコはNATO加盟国であるためNATOに対する集団的自衛権の行使を通じて第3次世界大戦に発展する恐れに繋がりかねない。

 

 

 

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